ユニット2(第1期)「現代インドの社会運動における越境」

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メンバー

ユニット・リーダー

嵩 満也(龍谷大学国際文化学部 教授)

分担者

  • 入澤 崇(龍谷大学文学部 教授/龍谷ミュージアム 館長)
  • 佐藤 智水(龍谷大学文学部 客員教授/人間・科学・宗教総合研究センターフェロー)
  • 三谷 真澄(龍谷大学国際文化学部 教授)
  • 中村 尚司(龍谷大学人間・科学・宗教総合研究センター 研究フェロー)
  • 島根 良枝(龍谷大学経済学部 准教授)
  • 中根智子(龍谷大学国際文化学部・講師)

ユニット2では、「民衆動員」のレベルを中心としたフィールド・ワークとその調査結果の分析・検討を行う。その目的は、ユニット1で解明されるべき、インド政治言説を支える理論構造、思想ならびにコミュニケーションの作法研究と連接しながら、「民衆」の動態を深く解明しようとするところにある。

「民衆」は、現実には、「州境」や「国境」、さらには異なる「宗教」を「越境」して生きる多重的存在である。そのため、必然的に国際政治とも関係する。また、意図せずして、突然、「マイノリティ」と化する場合さえ発生する。本拠点における研究の主たる対象は、仏教徒、ジャイナ教徒、ムスリムなど、いわゆるマイノリティ・コミュニティが中心である。したがって、こうしたマイノリティ・コミュニティの調査研究によりインド世界の〈多様性と統一〉の動態と可能性を探ることをも期す。

マイノリティとはいえ、これら被差別諸コミュニティの人口は1億を超えるため、彼らの運動は中央・地方の選挙と密接に関係している。インドの政治を読み解く上で、彼らの動きは見逃すことのできない要素である。本ユニットは、こうした「民衆」に光をあて、下記4つのフィールドを当面、選択して研究をおこなう。

初年度および第2年度には、調査村の選択に始まり、調査対象に即したフィールド・ワークの方法の構築に努力する。同時に研究史のつきあわせ、主要文献の渉猟とともに、国内、国際の専門研究者を招いて研究会を開いて方法論を模索する。また毎年小規模の国際シンポジウムを日本およびインドなどで開催するなど、研究交流・人的交流を図る。拠点形成の後半には、次第に活動の重心を研究とともに成果の発表に移す。拠点ネットワーク全体と協力しながら、日本南アジア学会など、関連する学会でも研究成果を発表する。

ダリットの生活実態と仏教思想の意味(サブユニットA)

佐藤 智水/ティモシー・フィッツジェラルド/榎木 美樹

現代インドにおける仏教徒の存在、および仏教復興運動の一部は、西~南インドを中心とした指定カースト/ダリットの社会的・経済的地位の向上と関係している。アンベードカルが1956年にナグプールで仏教に改宗したことを契機に、西~南インドの3州では、ヒンドゥ教やキリスト教から仏教に改宗する動きが始まったのである。この事実を踏まえて、当拠点では、西~南インドの仏教徒コミュニティ調査を核として、仏教改宗が当事者の生活および周辺コミュニティに及ぼす影響、アンベードカルの運動と思想の意義などを考察する。

インド・ベンガル州とバングラデシュの仏教徒の生活と越境(サブユニットB)

若原 雄昭/岡本 健資/山根 聡/ディリプ・クマル・バルア

いわゆるベンガル仏教徒は現在バングラデシュ国内の他インドの西ベンガル、オリッサ、及びアッサム、トリプラ、ミゾラム等の北東部諸州において、いずれもマイノリティとして存在する。その基礎的情報(沿革・分布・人口・組織等)の収集と整理を行い、ダッカ大学スタッフの協力の下にダッカ周辺、北部バングラデシュのアーディヴァーシ居住地域、チッタゴン周辺からミャンマー国境地域(Chittagon Hill Tracts)、の各地に於いて数次の実地調査を実施し、その成果をアイデンティティと越境をキイタームとして総括する。

スリランカの上座部仏教とダリット仏教の交流(サブユニットC)

嵩 満也/中村 尚司

ブッダゴーシャによって体系化され、教団を組織してきた上座部仏教が、現代のダリット仏教、チベット仏教、チタゴンヒルの仏教と相互に影響を及ぼしあえるかどうか、部派にとらわれない仏教として再統合の可能性があるかどうか、理論的だけでなく実践の現場においても調査研究を進める。

大谷探検隊とインド認識の形成(サブユニットD)

入澤 崇/三谷 真澄

大谷探検隊といえば西域のイメージがあまりに強いが、そもそもの調査の主眼はインドにあった。大谷探検隊の記録にみえる当時の「現代インド」の状況を探るとともに、日本人僧侶によって形成された「インド観」に光を当てる。

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